【日本企業様向けコラム】高度外国人材スカイブルーとは
高度外国人材スカイブルーとは(1) 知識・技術の裏付けを持ちマネジメントができる「スカイブルー人材」
深刻な労働不足を背景に、外国人労働者の活用に注目が集まっている。しかし、前述したように、高度外国人の受け入れは進んでいるとは言えない。弊社(株)アセアンカービジネスキャリアでは、日本語を理解する高度外国人材を「スカイブルー人材」と位置付け、人材不足という課題を抱える各業界に対してアセアン諸国からの招致を提案している。スカイブルー人材の定義は『単なる熟練ではなく、かなり高度の専門的知識と技術の裏づけをもち、日本語でマネジメントもできる新しいタイプの人々(外国人)』だ。誤解を恐れずに図式で説明するとすれば、現場を担うブルーカラーと経営管理に関わるホワイトカラーをつなぐ層を指す。
スカイブルー人材を外国人労働者の在留資格の点からみれば、専門的・技術的分野で、正社員として就労ために就労ビザを取得して入国する人々となる。日本におけるマネジメントを期待されているため、日本語でのコミュニケーションスキルを有し、かつ大学における当該分野の教育を受けている高度人材ということになる。スカイブルー人材の受け入れ推進は、現在深刻な人材不足に悩まされている日本企業の人材戦略のサポートができると同時に、弊社が考えている循環型グローバルビジネスモデルとなる「人材先行型海外進出モデル」が実現できると考えてる。
《ご質問・お問い合わせ》
株式会社アセアンカービジネスキャリア
メール:aseancarbusiness@gmail.com
電話:070-1447-2374
高度外国人材スカイブルーとは(2)スカイブルー人材採用のメリット
スカイブルー人材が、日本企業の海外進出の牽引役となるのは大きなメリットだ。その先には将来の海外支社の幹部候補として考えられる。言語や現地の制度理解の点では現地人を現地法人のトップに据える利点だ。更に一度働いた経験のあるスカイブルー人材は日本のビジネスを理解しており言語化できない会社のカラーを理解してくれている。信頼の確保という点も重要だ。
更に現地の人間とのブリッジ人材としても活躍できる。私がイメージするのはスカイブルー人材が日本企業の現場を担う技能実習生たちと経営管理側との「ブリッジ」になれることだ。弊社アセアンカービジネスキャリアは技能自習生の受け入れ支援も行っている。こうした人々により良い環境を提供するために、同じアセアン出身のマネジメント層、あるいはその候補生たちの存在は大きい。スカイブルー人材と技能実習生とでチームを作って協働するのだ。また、販路拡大のための海外営業などでも彼らは活躍できる。海外の顧客、海外支社とのやりとりや連絡調整を行うブリッジに適している。現地の商習慣にあった営業スタイルで海外からの問い合わせにスピーディーに対応できるためだ。
もう一つは、国籍を問わない優秀な技術者・専門職として確保でき、組織活性化にも繋がるという点だ。国籍を問わないエンジニアというのはITエンジニアなどイメージしやすいだろう。私自身、アセアンに着目した大きなきっかけは、ここの人々のダイナミックな活気とスピード感を持つ人々のパワーだった。好奇心と未来への前向きな意欲に溢れている人々から教えられることはとても多い。
具体的な取り組みは始まったばかりだが、2018年4月にベトナム(ホーチミン)の一流理系大学と提携契約を調印。この大学では学生に日本語教育も行い、スカイブルー人材の母体として有望だ。今回の提携に伴い、スカイブルー人材活用を希望する日系企業10社が大学に行き学生たちと直接面接。その第一弾が2018年中に来日する。弊社は受け入れ決定から入国までのビザ申請書類作成を代行するとともに、受け入れ後も言葉と文化の違いのサポートはもちろん、外国人への組織ビジョンの共有やメンタルケアなどのサポートを行う。
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高度外国人材スカイブルーとは(3)なぜ、日本で働きたい?スカイブルー人材の5つの本音
アセアンの若者が日本を目指す理由、彼らにとって日本の魅力とはなんだろうか。私自身もアセアン5カ国に駐在経験があり、15年近く海外に住んでいる。アセアン人材と一緒に仕事して長い年月が経つ。彼らにとっての日本の魅力を聞くと様々な理由があるが、まとめると(1)日本語能力の向上、(2)日本企業の高い技術力、(3)日本人の働き方・経営方法、(4)日本の給与水準、(5)自らのキャリアアップ、この5つではないだろうか。
日本語能力の向上はそのままだ。現地ではなかなか日本語を使う機会も少ない。海外に住んだことがある方ならわかるかと思う。周りが日本語を話さなければ、自ら現地の言葉や英語でコミュニケーションをとるしかないだろう。アセアン人材は、日本人に囲まれた環境に身をおくことで日本語能力を強制的に向上していきたいと考えている。その理由はまちまちだ。私のタイ人の知り合いは日本のアニメの大ファンで、通訳や翻訳を使わずアニメの内容を自分で理解したいと言っていた。また、大学を卒業したばかりのベトナム人の女性は、勉強した日本語を活かして仕事をし更なる日本語のレベルアップを目指したいと言う。
2点目に、日本企業の高い技術力だ。特に理系エンジニアなどはこの傾向が強い。日本のIT企業に就職したベトナム人ITエンジニアは、「最新の技術を日本で学んで、もっと勉強したい」と言っていた。
3つ目は、日本人の働き方・日本企業の経営方法が知りたいというアセアン人材だ。特に、起業して経営者を目指す人々がこのように考える。留学などだけではなく、日本企業の中で社会人生活をする。その上で、日本企業の発展・成長の秘訣として、働き方や経営方法、日本人の勤勉さや真面目に働く姿勢を学びたいと考えている。
4つ目には、日本水準の給与。アセアン諸国の急激な経済発展により給与格差は縮まってきているが、まだ日本での給与の魅力はある。逆に、この経済格差がなくなったとしたら日本での魅力はなくなってしまう。
最後に自らのキャリアアップだ。これはアセアンの人々にとって本音だろう。日本で職務経験を積んでからの方が、母国で就職するときに有利と聞く。まさに、戦略的なキャリア設計だ。実は私がマレーシアで働いていたときのマレーシア人の秘書は、日本語通訳や秘書業務以上の仕事をしたいと言っていた。現地ではたくさんの引き合いがあるが、結局その上のキャリア(マネージャーなど)になるのは難しい。彼・彼女らはその上を本気で目指したいと考えている。
余談だが、アセアンの優秀な人材は、スピーディーなキャリアアップ(2~3年)を考える。しかし必ずしも退職前提ではないことを理解して欲しい。彼・彼女たちの理想はその会社の海外子会社、関連会社に赴任してマネージャー以上のポジションを獲得したいと考えている。
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高度外国人材スカイブルーとは(4)スカイブルー人材を活用し循環型事業を推進
日本だけにメリットがあるようなモデルでは、グローバルビジネスの成功は難しいというのが私の信念だ。現地にも貢献するビジネスモデルの構築が重要だ。現地での貢献という視点は、アセアンにおける日本の存在感を高める上でも極めて重要なテーマだと確信している。
例えば自動車整備がそうだ。日本にいける整備士の数は32万人。日本の自動車保有台数は6000〜7000万台であるため、1人の整備士が整備する台数は年間200台ほどとなる。これを世界で保有されている日本の保有台数というところまで広げると、さらにその数は大きくなる。では今後、日本の整備士人口が増えていくかと言えば、悲観的にならざるを得ない。つまり整備士の不足は深刻な社会課題となっている。
日本の自動車産業が海外進出する際の強みは安全性だ。整備士の人材不足が進出の足かせになる可能性もある。さらに、アセアン諸国の賃金水準を考えても、日本人の整備士が現地アセアンで整備業務を担うというのは困難だ。やはり現地の人材が担うのが最も良い方法となろう。しかも今のアセアン諸国は、高度成長時代の日本がそうであったように「車を持っている」「車を修理できる」人は憧れで、整備士に憧れる若者が多い。アセアンの整備士候補たちに日本における実地教育および就業の機会を提供し、海外進出した際に責任者として活躍してもらうという循環型モデルに大きな意義がある。
スカイブルー人材を招致することで、日本の人材不足を補えるということも重要なポイントだ。しかし単なる「人手」として考えるのではなく、いずれ母国で活躍てきるようなキャリアアップを支援することと日本企業の海外進出を成功させることをリンク。私はそうすることでウィンウィンのモデルになることを志向している。彼らは日本語でのコミュニケーションスキルを持つ。さらに、日本企業で数年間就業経験を積んだ彼らは両国の文化や生活習慣、さらにビジネスの考え方がわかる。そう行った意味で日本側とアセアン側の橋渡し人材となる。日本企業が海外進出する際の責任者という可能性もあるだろう。当然、マネジメントのスキルや能力が求められるということで、そうしたポジションを目指すキャリアモデルを提示して、アセアン諸国から人材を受け入れるためのスキームを構築する。
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高度外国人材スカイブルーとは(5)スカイブルー人材を獲得する秘訣とは?
まず重要なことは、アセアンのスカイブルー人材に選んでもらわなければならないと言うこと。当然、アセアンの人々にとって母国で働くよりも高い給与が得られ、技術力や日本経営を学べるというメリットはある。しかしながら、グローバル規模での人材獲得競争が起こっている中で、日本の魅力は明らかに低下している。正しい言い方ではないので言い換えるとすれば、それ以外の国がより魅力的な提案を行うようになってきているのは事実だ。すでに記したように、労働不足の課題は、アセアンの中で日本だけにある問題ではなくなった。では、そうすれば選ばれるのか?それは、私が様々な調査やアセアンの人々と実際に交流をして行く中で実感したことだが、彼らにとって企業の規模や知名度は最優先ではないということだ。アセアンの優秀なスカイブルー人材が注意することは、「会社と自らの将来」。つまり会社はどのようなビジョンを持っているのか伝えることは重要だ。特に、海外事業の今後の展開計画など気になっている。そのためスカイブルー人材が理解しやすいように企業のビジョンを明確化し言語で示しておくことが望ましい。さらに明確なキャリアパスの提示が求められる。実際に日本で働く高度外国人材に「母国の後輩たちに日本企業で働くことを進めない理由があるとしたら、何か」というアンケートをとってみたところ、「外国人のキャリアアップに限界がある」という答えが集まった。「いつまでこの担当の仕事を続けるのだろう?」「いつになったら母国や海外と関わりを持てるのだろう?」。
彼らの懸念として、外国人としての出世の限界、そして入社後の将来の不安がある。そういう意味でも、期待する役割、母国や海外との関わり、最終的にどうなって欲しいのか、を明確に伝えておく必要がある。
もう1点、スカイブルー人材を雇用するための社内体制の構築として、外国人採用の意義を社内で共有しておくということが重要だ。特に、人事社員や配属先の現場責任者へ、必要性を浸透させておく。入社後の、外国人採用の意義が社内で浸透していないために配属先で孤立してしまい退職に至るケースがある。そう言った意味で、配置するのにどの上司につけるかは非常に重要だ。うまくいっている会社は外国人の魅力をわかっている上司の下につける、もしくは外国人をしっかり評価している上司の下につけている。日本人とは異なる工夫を取り入れ、幹部候補人材となるスカイブルー人材を採用してくことが求められている。
最後になるが、アセアンと一言で言っても国によって文化や人の気質は異なる。例えばベトナムであれば、ベトナム人の国民性として全体的に真面目に熱心に取り組む。しかし、気質は、北部のハノイでは真面目、几帳面、用心深いなど。南部のホーチミンでは友好的、ポジティブ、楽天的などと異なる。そのような出身場所の文化、習慣などを理解しておくことも必要だ。そうしたことを含めて私が感じていることは、アセアンからの人材を「1人の人間」として見ていただきたいということ。
日本では「日本語の能力」のみでその人間が評価されているような気がしてならない。皆様には釈迦に説法で恐縮だが、日本語能力とは人の人格からすれば一部であるはずだ。気質、性格、ここまで経験してきた文化や風土、そして家族や友人など様々な要因が重なり合ってその人が形成されている。幹部候補になりうるスカイブルー人材は売り手市場だ。「選ぶ」ではなく「口説く」という姿勢を忘れてはいけない。
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