1. トップページ > 
  2. コラム > 
  3. 【日本企業様向けコラム】御社の未来を支えるアセアン人材を日本へ

【日本企業様向けコラム】御社の未来を支えるアセアン人材を日本へ

御社の未来を支えるアセアン人材を日本へ(1)新しい外国人雇用の仕組みの必要性

自動車整備業界は、技能自習生、および留学生だけでない、新しい外国人雇用の仕組みを求めている。なぜ新しい仕組みが必要とされるのか。理由の1つは、人材不足という業界の課題が大きくなればなるほど、人材に求める要求レベルとのズレが表面化、更には人材の争奪戦が激化してきたためだ。

技能実習制度は日本で働ける年数が限定されている。そのため整備会社の経営者は整備技術や日本語能力が身についたタイミングで帰国をしてしまうことを理由に活用を躊躇(ちゅうちょ)している。言語の壁といった課題も表面化している。整備会社の経営者は「もっと色々と教えていきたいのですが、言葉の理解やコミュニケーション面でまだ不安が残ります」(整備会社の経営者)。また、実習生の逃亡や過重労働といった問題が表面化する中で、多くの企業は、技能実習生の活用に様子見の段階にあるのが現状だ。

一方、留学生に関して、中小の整備会社経営者は、「留学生の採用は中小では難しい状況だ」と口を揃えて言う。整備専門学校の留学生向けに奨学金制度を設けて卒業後の就職を促したり、組織力を生かして特定グループのみへ紹介したりと、それなりの資金やネットワークのある企業同士で留学生の取り合いが加速しているためだ。

このような中、現状の制度や仕組みだけではそれぞれの会社が求める人材を雇用することが難しい実情がある。ただし、日本の自動車整備業界のために経営者が考えなくてはいけないことは、循環型人材スキームの構築ではないだろうか。つまり、外国人整備人材を単なる短期的な人材不足における労働者とみなすのではなく、長期的な視野で信頼関係を築きパートナーとして外国人整備人材を受け入れていくと言う考え方、仕組みが大切だ。

《ご質問・お問い合わせ》
株式会社アセアンカービジネスキャリア
メール:aseancarbusiness@gmail.com
電話:070-1447-2374

御社の未来を支えるアセアン人材を日本へ(2)循環型の人材スキームの重要性

ハノイにある技能実習生送り出し機関のベトナム人代表は「日本で働いた後、本国に帰ってきたベトナム人をベトナムでの日系企業に紹介していきたい」という。日本の企業で学んだ技術を母国の発展に活かせるように日系企業への就労支援などを提案している。整備業界は技術を身につけてベトナムに帰国すれば必ず役に立つ。

ハノイのある技能実習生の送り出し機関では、自動車整備の職業訓練はもちろん、4S、QC、あいさつなど日本のマナーなども指導するようにしている。更に日本に働きにいってからの3年後ではなく、自国に戻り65歳までの長期的な視点で人生設計を考えるような意識改革も行っている。最も力を入れているのは日本語の教育だ。「日本語ができないと本人も辛い」とベトナム人の日本語教師は指摘する。日本語がわからなければ、日本人の気持ちや働き方も理解できない。働き方が理解できなければ仕事ができない。仕事ができなければ技術や技能、知識も学ぶことができず将来何も残らない。特に日本人とのコミュニケーション能力の習得を第一目標に掲げて教育を行っている。

《ご質問・お問い合わせ》
株式会社アセアンカービジネスキャリア
メール:aseancarbusiness@gmail.com
電話:070-1447-2374

御社の未来を支えるアセアン人材を日本へ(3)エリート外国人整備人材、スカイブルー

外国人整備人材の活用が、単に整備人材の不足という安易な理由では、人材の使い捨てであり、日本整備業界の人材不足の根本的解決にはならない。それでは、彼ら技能実習生や留学生が日本で学んだ経験を、自国に帰国してからも活躍できるような循環型の人材スキームはどのように構築できるのだろうか。

高度人材となるスカイブルーと呼ばれる大卒整備エンジニアが、循環型人材スキームを構築の担い手になると考えている。継続していくには、だれか1人だけがメリットを得ると言う形では難しい。参加者全員がウィンウィンとなるスキームが必要だ。

スカイブルーとは「単なる熟練ではなく、かなり高度の専門的知識と技術の裏づけをもち、マネジメントもできる新しいタイプの人々(外国人)」を意味する。水色を意味し、組織の中でも最も重要な役割を果たす、ホワイトカラーとブルーカラーをつなげる人材となる。スカイブルーの外国人と信頼関係を築けた日本企業のみが、将来のグローバル化に成功すると言っても過言ではない重要なエリート外国人だ。

2016年に日本で働く外国人の数はついに100万人を超えた。しかし専門的技術を持った高度人材は圧倒的に不足している。「ベトナムでは年間で1万人近くの理工系大学を卒業した技術者(エンジニア)候補がいるのではないか」とハノイにある大学の学部長は指摘する。しかし学校を卒業しても仕事があるのは3割ほど。日本で不足している高度人材だが、ベトナムでは専門を持っていても仕事がない状況が続いている。年齢が若く、技術が高く、人口も多いという利点を持っているのがベトナム人エンジニアの特徴だ。しかし、言語や文化の違いが大きな障壁となっている。

現地の自動車学部や機械工学部の大学生、もしくは卒業生に日本語の教育を行うことで、スカイブルー人材に成り得る。彼らは日本で働く期間に縛りはない。5年でも10年でも彼らが望めば日本で働ける。一定水準以上の整備技術を日本で身につけることが可能だ。スカイブルーはマネジメントもできる。同じベトナムという国であればコミュニケーションも問題ない。日本国内で今後増えていく技能実習生、留学生を組織し、まとめていくことができるという点も大きなメリットだ。将来は日本の受け入れ企業のベトナム進出時の現地幹部として母国に戻ることもできるだろう。

また、新興国ではまだ大学を卒業できる人材は少ない。そのため彼らの親族がそれなりの資産、教育水準、人脈ネットワークを持つ富裕層に当たりやすい。つまり、日本で身につけた技術を、ベトナムに戻り、自ら整備工場や整備教育機関を立ち上げられる環境をすでに持っている場合がある。それらが、日本に帰国する技能実習生、留学生たちの出口、つまり受け入れ場所となる。日本で学んだ整備技術を、ベトナムに伝授して行くことができる。

将来の日本の整備業界を救うスカイブルー人材を雇用する方法はいくつかある。アセアンの理工系大学で日本語教育を受けた学生をインターンシップとして雇用するインターンシッププログラムもその1つだ。これはインターンとして大学生を受け入れ、卒業後の正規採用につなげるのが目的だ。技能実習生とは大きく異なり、採用人数や受け入れ期間に制限がないことは当然だが、もっとも大きな違いとして、彼らは母国に帰国してからも日本との架け橋を作りながら活躍できる循環型の人材スキームを実行していくことができる。

《ご質問・お問い合わせ》
株式会社アセアンカービジネスキャリア
メール:aseancarbusiness@gmail.com
電話:070-1447-2374

御社の未来を支えるアセアン人材を日本へ(4)単なる労働力からパートナーへ

外国人を安い労働者としてではなく共存できる戦力として考え、同じ釜の飯を食べ、信頼関係を構築しておくことが重要ではないだろうか。そうすることで、数年後に帰国した後もビジネスのパートナーとして捉えることができる。これを人材先行型の海外進出ビジネスモデルという。

人材が不足する日本の整備業界にとっては、スカイブルーよる循環型スキームの可能性をもっと真剣に考えていく必要がある。それには外国人整備人材を受け入れる企業が、入社後の彼らの教育をしていく必要がある。「日本人の悩みが彼らに届かない」といっているのであれば、彼らの悩みも積極的に理解していくスタンスが日本側にも必要なのではないか。

スカイブルー人材のような高度人材は売り手市場。受け入れ体制を構築しないと優秀な人材は他国に行ってしまう。今は、グローバル化によって、人も国境を超えて争奪戦になっている。このような時代により質の高い外国人を確保すると言う視点で問題を捉えなおす必要があると言うことだ。すでに韓国は日本以上に外国人への優遇を行っている。また高齢化が進み若者の人口が減っている中国が外国人人材を本気で呼び込み始めると、日本を選ばなくなるだろう。その前に日本の自動車整備業界として積極的な道筋をつけておくことが重要だ。

《ご質問・お問い合わせ》
株式会社アセアンカービジネスキャリア
メール:aseancarbusiness@gmail.com
電話:070-1447-2374