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【日本企業様向けコラム】川崎大輔が考える、「選ばれる国」日本とは

日本は外国人材に「選ばれる国」になるのか?

アセアンビジネスに関わって20年以上の月日が流れた。私自身は、香港の会社に就職して、入社2年目にマレーシア現地法人の代表になったため、20代前半の若造の頃から、10名以上のマレーシア人の部下をマネジメントする経験を得た。アセアン各国で駐在を経験し、アセアンを中心とした多くの海外の方々、香港人、マレーシア人、タイ人、インドネシア人、シンガポール人、インド人、アメリカ人と一緒に仕事をさせていただいた。どの国でも人と人との信頼関係がビジネスの大前提だとつくづく感じる。アセアンに進出した日本人の中には彼らは信頼できない、などといっている人もいるが、そういう人に限って日本人同士としか付き合っていない。しかし、アセアンの人材と本気で付き合っていかなければならない時代に突入している。

2000年に入り、日本を取り巻く環境は大きく変わった。特に1998年のGoogle誕生以降のネット革命から世界の変化は急速に早まった。中でも大きな変化を見せたのはアセアンの飛躍的な経済成長だ。国が富み、人々の生活が豊かになる。こんな当たり前の歴史の流れが急激なスピードで進み、日本人はこの当たり前のことに大いに戸惑ったのではないか。日本が親、アジアが子と見るのはすでに過去の話だ。しかしながら、まだその現実を直視できていない日本人が多くいる。未だに「日本はアセアンの国々の羨望の的」であると思い込んでいるのだ。

なぜ、変化を感じ取れないか。誤解を恐れずに言えば日本の世界が狭いため人間性も狭いためだ。長く平和が続き、狭い島国で、単一民族に近い国だったため、均質的な人間像しか学べない。世界全体の人種の違い、民族の違い、国家の違い、風土の違い、宗教の違い、歴史の違い、文化の違いから形成される他国の広がりと深みから比べれば、日本は極めて均質的な人間像しか学べない。サラリーマン、OLの似た者同士のコミュニティに染まってしまい気がつくと違いがない。

世界の現実をしっかり知るのに、本来、最も望ましいことはなんだろうか。それは、海外に出て様々な人生経験を積むことだ。しかし、日本にいる限り積極的に人生経験の幅を広げることは時間的、制約的な制約、限界がある。ではどうする?答えは教養を身につけて行くことだ。リベラルアーツ(教養教育)の本当の意味は豊かな人間像、深い人間感を身につけることにある。それには積極的に、異文化の人間と交わることから始めるのが良い。

これから日本は時間が経つにつれて国際的な人材獲得競争は激しくなり、さらに少子高齢化をはじめとする課題先進国の道を突き進む。今まで書いてきたようにすでに日本の経済は外国人労働者なくして成り立たない状況だ。少しでも日本にきてくれる外国人がいる間に行動に移す必要がある。外国人労働者を積極的に受け入れるという判断をするのであれば今しかない。さらに魅力的な日本の環境を早急に整えて行く必要がある時代にきている。それにはもっと日本人が幅広い人間性、つまり教養を身につけて行く必要がある。

日本は少子高齢化を含む課題を抱えている。常に世界の中で一番最初の課題解決先進国となっている。アセアンも今後、数年以内に日本が昔辿った同じ課題を抱えることになる。今まで日本が解決してきた課題に対する、知識・技術は必ずアセアンでも役に立る。そういう意味で日本には大きな優位性があるのを、もっともっと日本人自身が認識をすべきだ。さらに、課題解決先進国としてアセアンのために自らが持つ課題に果敢にチャレンジしていく必要があると思っている。そのチャレンジが新しい成長になる。外国人労働者の課題をどのように解決して行くか。答えは、フロントランナーとしてのマインドを持ち、自らが外国人労働者を受け入れて一緒にやって行くことだと自分は考えている。

日本の人口不足という課題を解決し、さらに、世界の現実を知る教養を実体験で学べるのだから、一石二鳥だ。いくら時代が移り変ろうが、経済の趨勢が移ろうとも、変わらないものは「人」だ。人間と人間が集まってともに働くことで生まれるものはどこの国にいっても変わらない。日本であろうがアセアンであろうが根本は変わらない。そういう意味で、今行動を起こしアセアンの優秀な若者と作り上げた信頼関係はずっと続いて行くことになる。

コラムを通じて、日本が優秀な外国人材であるスカイブルー外国人材に「選ばれる国」になれるか?ということを考えた。しかし本当に大切なのは世間で言われていること、そして書かれていることではない。大切なのはあなた自身が気づいたことそこにあなたらしさがある。あなたが自分らしく成功するヒントがある。気がついたことを大切にして欲しい。そして1つでも良いので実践して欲しい。そうすれば自分らしく輝くことができる。

「答えは自分の中にある」

<川崎大輔 プロフィール>
「アセアンビジネスに関わって20年。アセアン各国で駐在後、日本に帰国して大手中古車企業にて海外事業部の立上げに従事。現在、アセアンプラスコンサルティングを立ち上げアセアン進出に進出をしたい自動車アフター企業様の支援をしている。また、アセアン人材を日本企業に紹介する会社アセアンカービジネスキャリアも立ち上げ、ASEANと日本の架け橋を作ることを目指している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。」

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株式会社アセアンカービジネスキャリア
メール:aseancarbusiness@gmail.com
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