【日本企業様向けコラム】なぜ、今アセアン人材なのか
なぜ、今アセアン人材なのか(1)豊かな日本、その裏側は?
日本の経済成長はストップしている。明治元年(1868年)から欧米列国を見習って、背中を追いかけた。ちょうど100年後の1968年に日本はついにGDPで世界第二位の経済大国となった。それ以降、急激なモータリゼーションの波が押し寄せ、約30年ほどで一気に自動車という工業製品が、ほとんどの日本国民に行き渡るようになった。そして2000年後半から日本の保有台数は6000万台となり、それ以上の拡大は止まった。現在の日本の自動車市場はゼロ成長だ。
日本の自動車(乗用車)の保有台数推移(1966-2016)の図を見ていただければわかるが、モータリゼーション期の急激な拡大を経て、現在はアフターモータリゼーション期に入った。今は、保有台数が6,000万台でほとんど成長がストップしている。日本の人口を、約1億2,000万人とすると2人に1人の割合だ。
自動車保有台数が6,000万台で止まっているということに非常に重要な意味が隠されている。日本の自動車の耐用年数は平均で12年。つまり6,000万台を12年で割ると、1年で販売される自動車の台数、約500万台となるはずだ。
皆さん、日本の新車(乗用車)の年間販売台数は何台かど存知だろうか?2000年以降、日本の新車販売台数は500万台前後で推移している。これがどういうことを意味するか。つまり将来的な市場拡大は見込まれないということを意味する。市場はすでに飽和してということを意味する。
この考え方は全てに応用がきく。例えば日本の住宅を考えてみよう。日本の世帯数は核家族化によって5,000世帯にまで増えた。しかし、住宅総数は現在6,000万戸ある。1,000万余分なわけだ。50年を耐用年数とすると、すでに住宅は年間100-120万戸の新規住宅着工数でいっぱいいっぱいの状況となっているのがわかるだろう。そして、事実住宅は飽和している。
これを「日本の悩み」という。つまり、市場で売れる数が決まってしまっているのだ。自動車が購入されるには、大きく2つの需要があるのはご存知だろう。新規需要と代替え需要となる。しかし、市場が飽和したため、12年後に買い換える車しか、日本の市場では販売されないということになる。あなたも実感があるかと思うが、これが日本の経済成長がが止まるということだ。あなたの給料で買えるもっとも大きな工業製品である自動車の市場拡大が止まっているということは、当然、それ以外の工業製品であるクーラーやテレビなどの電化製品の市場もストップしていることになる。
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なぜ、今アセアン人材なのか(2)飽和市場から急成長アセアンへ
実は、日本だけでなく世界の先進国が飽和している。これは非常に重要な図だ。まさにこれがなぜ日本がアセアンをむくのか?の答えとなる。
上の図は各国の自動車(乗用車)の1人あたり保有台数の図である。人口あたり保有台数が、1に近づけば、1人1台自動車を持っているということで、0.5に近づけば2人に1台をいう意味合いとなる。非常に重要なことは、日本を含む先進国はは2人に1人であるということだ。つまり日本以外の先進国でも自動車は飽和している。つまり新規需要がなくなり、経済成長がストップ。それが先進国の悩みだ。
先進国も昔、車やクーラーが欲しくてたまらなかった。産業革命以降、工業製品の大量生産を経て、今の先進国は全てのものをすでに手に入れてしまった。新規需要がなくなり、代替え需要のみとなる。これを人工物の飽和という。
一方でアセアンにはまだモノが飽和していない。日本から失われてしまったよりより生活をしたいという人々の素朴な意欲やハングリー精神が根元にあることは間違いない。消費という実需に基づいた経済成長は、現在の低迷を続ける世界の経済の状況を救えるキーワードとなっている。
更にもう一つ重要なポイントを示したい。中国は強烈なハングリー精神によって、成長のスピードが非常に速い。(2007から2015)の7年で5倍の人口あたり保有台数となった。この速度が続けば、保有台数6億(つまり0.5の保有台数)になるのは、あと3.5年後だ。アセアン各国が豊かになるスピードはとてつもなく早くなっている。ネット革命をはじめとして、その進歩や発展の速度が加速する象徴する言葉がある。ドックイヤーという言葉だ。犬の寿命が人間に比べて7分の1であることが時間の速度が早くなるたとえとして使われていた。つまり、ドックイヤーとは過去の7年で起こったことが一年で起こることを意味する。しかし、今の中国の発展を見るとマウスイヤーだ。ネズミの成長の早さは人間の成長の早さの18倍。このことが何を意味するか、それはアセアンの進出に躊躇していると、すぐにアセアン市場がなくなるということを意味する。
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なぜ、今アセアン人材なのか(3)アセアンとの出会いは晴天の霹靂の如く
1990年代の後半、私(川崎大輔)は当時大学3年生、卒業して何のために働こうか悩んでいた。そんな時期に、沢木耕太郎著「深夜特急」を読んだ。一人旅をしたことのある人のバイブルで、インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く。26歳の著者は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。そんな内容だった。たった一冊の本だが影響は強かった。自分も世界一周の1人旅に出た。
肝炎で倒れ意識不明で救急病院に運ばれたり、パスポートを盗まれたり、拳銃で脅されてお金を取られたりした。食糧難や内戦などを目の当たりにして、何もできない自分のもどかしさも感じた。自分の目で見て世界の格差を知ることになった。ユーゴスラビアでは民族虐殺というすさまじい内戦の悲劇。インドやアフリカでは食べることができない子供達。あまりに考えさせられることが多い経験だった。
そのような時、アセアンのある都市のスラム街に紛れ込んだ。質素な小屋。ごみと悪臭。電気も水道も食料もなく疫病がはやってる。子供らしい時間がどれだけあるのか。やる気があるのに、チャンスのない若者達。人生にどんな夢や希望をもてるのか。そんなアセアンの国のローカルカフェで隣に座っていた10代の若い男子学生に「お金をくれないか?」と突然声をかけられた。お金を切り詰めて貧乏旅行をしている私はキョトンとしながら「自分も貧乏だからお金はない」と返答した。彼は「貧乏な人間が海外に旅行ができている。日本はなんて素晴らしい!どうすれば日本で働くことができるんだ?」と素朴な疑問をぶつけてきた。働かずに旅にくる時間・お金がある、その当たり前がすごいことだと実感した瞬間だった。本当に日本を知るには、海外から日本を見なければわからない。日本の中にずっと留まっていては見えるものも見えなくなる。よく話をすると、彼はもっと成功してお金を稼いで家族を楽にしてあげたいと願っていた。日本から失われてしまったより良い生活をしたいという人々の素朴な意欲やハングリー精神が根元にあることは間違いない。アセアンの人々は日本に強い憧れを持っている現実があるのを知った。なんでもない会話だったが、振り返れば妙に刺激的な経験となった。この経験以来、旅で巡り合ったアセアン人たちとの関わりは、今の自分自身の原体験として脳裏に深く刻み込まれることとなった。
裏の別世界があるのと同時に、アセアンの都市は急速に発展し続けていた。そんな混沌としたアセアンに不思議な魅力を感じた。日本が親、アセアンが子、そのような見方を続けてはいけない。確かにアセアンが日本を見習う必要がある部分はあるが、アセアンの熱いほどの活気、そしてスピード感は、日本の比ではなかった。ハングリー精神を失った今の日本が持っていないアセアンのたくましさ。アセアンにはこれから大きなビジネスチャンスがあることを確信した。帰国後、大学を卒業して私の社会人生活の1日目は香港から始まった。それ以来、アセアンのビジネスに関わって20年以上。振り返ると、私のビジネス体験はアセアンの中で手探りの中、一歩ずつ失敗も重ねて歩み続けている。
現在、私の外国人材紹介会社は、世界中の人々はチャンスを得ることで変われるという信念で運営を行っている。アセアンの国々には本当に貧しくて勉強したくてもできない人がたくさんいる。それでも家族全員で学費を出し合ってもらい、必死に勉強して大学を卒業。日本に行きたいけれど日本で働くことができない優秀な若者がいる。そういうアセアンの若者に日本で働くチャンスをあげたい。
飽和した時代を迎えた日本は今、アセアンの国々と一緒になって成長を目指す時期にきた。日本という枠の中だけで、日本人のことだけを考えるのは意味がない。少子高齢高齢化社会の到来で労働人口が減少する日本と比べ、アセアンは優秀な若者の宝庫となっている。アセアンの経済成長を支える要因の一つは、膨大な人口であることは間違いない。日本の未来を考えるのであれば、ハングリー精神旺盛なアセアンの人材を積極的に活用すべき時代である。優秀なアセアン人材の活用が企業のアセアン進出の成功の鍵となることは間違いない。今日、明日にいきなりアセアン人材を活用しようとしてもなかなか難しい。すぐにいい人材に巡り合うことも少ないだろう。ただ、今すぐに活用の準備をしていただきたい。
我々アセアンカービジネスキャリア(ACC)は、日本の現状を踏まえながらアセアン人材の活用するため日本企業をサポートし、アセアンとともに成長を目指すこの時代に相応しい人材の活用を推進していく。
アセアンビジネスの第一歩はアセアンからの人材の受け入れから始まる。私はアセアンのビジネスに関わり20年、試行錯誤しながら突っ走ってきた。アセアン各国の人材を一緒に働いてきた教訓も踏まえながら御社の未来を支えるアセアン人材の魅力を伝え、ウィンウィンの関係を構築して行きたいと願う。
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