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【日本企業様向けコラム】激減する日本の労働力

激減する日本の労働力(1)激減する人口と少子高齢化

ご存知のように、日本の人口は減り続けている。戦後、総人口は増加を続けて1967年に初めて1億人を超えたが、2008年の1億2,808万人をピークに減少に転じた。それから10年が経ち。約150万人が少なくなった。東京オリンピックが開催される2020年には現在よりさらに120万人以上減り、そのあとはジェットコースターのような勢いで減って行く。国立社会保障・人口問題研究所の推計では、日本の人口は2048年に9,913万人と1億人を割り込み、2060年には8,674万人まで減少すると見込まれている。

人口の推移をより長期的に見ると、明治時代後半の1900年頃から100年をかけて増えてきた日本の人口が、今後100年のうちに再び同じ水準に戻ることが見込まれ、日本はこれから、これまでの歴史を振り返っても類を見ない水準の人口減少を経験することになる。国連は、現在世界11位の日本の人口が2030年にはフィリピンやエチオピアにも抜かれ、2100年には世界29位位に転落すると予想している。

実は人口の減少だけでははい。日本は世界の国々が経験したことがないほどのスピードで少子高齢化している国だ。一般的に、65歳以上が人口に占める割合が7%を超えると高齢化社会、14%を超えると高齢社会、21%を超えると超高齢化社会と呼ばれる。日本で65歳以上に占める割合は約4人に1人(26.3%)で、2035年には3人に1人(31.6%)という超スーパー高齢化社会に突入している。

なお、日本の総人口というのは、在留外国人も含めた数だ。現在は総人口の1.6%が外国人ということになっている。この10年で日本に住む外国人が40万人近く増えていることを考えると、いま日本全体の人口減少が、比較的緩やかなカーブを描いている理由には、外国人の増加があるためだ。しかし、外国人の流入がいつまで続くかはわからない。人口が減れば、経済が縮小するのは間違いない。

経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち2015年の1年間に移住したが外国人数の上位5カ国を見てみると、1位がドイツ201万6,241人、2位がアメリカ105万1,031人、3位がイギリス47万9,000人、4位が日本で39万1,160人となっている。

グローバルな競争の根元にあるものは何かご存知だろうか。誤解を恐れずにいえば人材獲得による人口増加がGDPの増やすことになる。1989年、まさに平成元年のベルリンの壁崩壊とともに、アメリカが主導する市場経済化が進んだ。つまり、西側諸国のみならず、ロシアをはじめとする旧東側諸国や中国、インドのような新興諸国も市場経済に組み込まれていった。そこから約30年後、日本のGDP成長60%だ。それに比較して、移民政策をとり人口を2.5億人から3.2億人に増加させたアメリカは240%の成長。同じく積極的に移民政策をとっていたドイツは200%の成長。イギリスはいま単純労働の引き締めを行っているが2009年まで解放していた。それまで人口も増えていった結果160%の成長を遂げている。日本が今後外国人労働者の受け入れをストップしたとしたら、人口は確実に減っていく。経済が後退しつつある国に魅力を感じるだろうか。

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激減する日本の労働力(2)日本から消えていく労働力

日本の労働力人口(15歳以上で、仕事についている、または求職中の人の数)は、総人口に先駆けて1998年にピークを迎えてから減少を続けている。2015年平均では1998年のピーク時と比較して200万人少ない6,598万人となった。

労働政策研究・研修機構の将来推計によれば、経済はゼロ成長、労働参加(各年齢層で働いている人の割合)も今までと変わらない現状維持のシナリオを想定した場合、2020年に6,314万人、2030年には5,800万人まで減少。2014年の実績値と比較すると、15年間で約800万人の労働力がいなくなるのだ。労働力人口がピークだった1998年から約15年で200万人の労働力が失われ、次の15年ではさらに800万人の労働力が失われる。特に若年層(15〜29歳)の労働力人口の減少が急速に進んで行くことになる。

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激減する日本の労働力(3)人手不足の実態

今後、労働力人口の減少は政府も理解している。第3次安倍政権において「1億総活躍社会」の実現を目標として、新3本の矢「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」を設定。出生率の向上や育児・介護を理由に休職・離職する人数を減らす施策を取りまとめる。この1億総活躍社会構想が順調に進み、労働参加率が増加したとしても実は労働力不足を食い止めることができない。スウェーデン並みに出産・子育て世代の女性が働き、現在の高齢者がさらに5年長く働いたとしても労働政策研究・研修機構の将来推計によれば、2030年までに225万人の労働人口が不足している。もし、女性、高齢者を考慮しなければ770万人の労働力が不足する。

ほぼ全ての産業で労働力は不足する。パーソル総合研究所は、2025年に日本が経済成長率0.8%を維持するために必要な就業者数うと、日本の就業者数の推移を推計して、その差分を算出。結果は、製造業と政府サービスを除けば、全ての産業で人手がする。特に情報通信サービスでの人手不足は深刻だ。今後日本の労働力人口は減少を続け、人手不足は、長期的な構造問題として存在する。日本はこれから長期的な課題の対応に迫られることになる。

人手不足が深刻化している産業の1つである小売業界では、人手不足解消のため様々な方法を模索している。あなたもすでにコンビニエンスストアのここ数年での変化にお気づきだろう。全国の大手コンビニで働く外国人は、大手3社だけで2017年に4万人を超えた。全国での平均で考えるとスタッフ20人中1人は外国人という数字だ。背景にはコンビニ業界が抱える人手不足という深刻な問題がある。現場では疲労感が広がっている。

コンビニエンスストアのローソンではベトナムで現地人材教育期間と連携し、日本への留学予定の学生に対して、コンビニエンスストアの業務を学ぶ研修所を開いた。来日の1ヶ月前からレジ打ちや接客の研修を受けてもらい、来日後、留学先に近いローソンの店舗でのアルバイトを紹介する。現在、ローソンの場合店舗スタッフの5%程度が外国からの留学生で、東京の都心部では3割が外国人留学生だ。国内で確保できない働き手については、企業が自ら海外に探しにいかなくてはならない時代に突入している。

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